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のどの症状

口と喉の病気について

  • 口(口腔)、喉(咽頭、喉頭)は咀嚼、嚥下、呼吸、発声、味覚、唾液分泌、免疫など生きていくために必要な機能が数多くあります。 それらの機能が色々な理由で障害され、問題が生じます。感染を生じれば咽頭痛などの痛みが出て、それが悪化すると喉の浮腫で呼吸困難になる事があります。
    亜鉛不足で味蕾細胞が障害されると味覚障害になります。慢性扁桃炎が腎炎や掌蹠膿疱症などの自己免疫疾患に関与することもあります。
    神経疾患で喉の筋肉の動きが障害されると嚥下障害が出現します。このように、局所から全身的な問題まで、幅広い影響が出る部位です。

  • こんな症状は
    ありませんか?

    • のどに痛みがある
    • 食べ物を飲み込みにくい
    • いびきがうるさい
    • のどが赤く腫れて痛む

代表的な口と喉の症状

    • 発熱

      発熱は色々な原因で生じます。原因はウイルスや細菌による感染症、癌やリンパ腫などの悪性腫瘍、膠原病などの自己免疫疾患など原因は幅広くあります。
      耳鼻科の一般診察で見かける発熱は感染に伴うものが多く、扁桃炎や中耳炎などの急性炎症疾患で認められます。発熱と同時に悪寒や戦慄を伴う場合があります。発熱の高さは病変の重症度とは必ずしも相関しません。 発熱だけの病気は少なく他の随伴症状で診断が決まる場合が多いです。

    • 咽頭痛・嚥下痛

      いわゆる「のどが痛い」症状です。その中でも飲み込む時の痛みを嚥下痛と呼びます。痛みの原因は急性咽頭炎や急性扁桃炎などの炎症性疾患、腫瘍などの器質性疾患、神経痛があります。
      多いのはやはり炎症性疾患で、ウイルスや細菌感染に伴うものが多いです。扁桃炎も重症化し、扁桃周囲炎や扁桃周囲膿瘍をきたすと嚥下困難、開口障害なども伴うようになります。炎症が強く、浮腫が強くなると呼吸困難となり窒息の可能性も出てくるため、早めの治療が必要です。
      持続的な咽頭痛の中に悪性腫瘍に伴うものがあるため、症状が継続しなかなか改善しない場合も注意が必要です。

    • せき

      粘膜の炎症による刺激で三叉神経が刺激され、迷走神経を介して咳が誘発されます。咽喉等の炎症の影響で咳が誘発される事があります。

    • いびき

      いびきは上気道狭窄と関係があり、いびきが酷くなると上気道狭窄も悪化している傾向があります。また、睡眠呼吸障害の指標となり、睡眠時無呼吸症候群ではいびきは必発で、習慣性のいびきは睡眠時無呼吸症候群の可能性があり、精査が必要な場合があります。原因としては肥満、扁桃・アデノイド肥大、鼻疾患による鼻閉などあり、原因の除去のみで改善する場合もあります。全身疾患が関連する場合もあり、甲状腺機能低下や多系統萎縮症による神経麻痺から生じるいびきもあります。薬物が悪化の原因となる場合もあり、アルコール、安定薬、抗うつ薬で増悪する事もあります。

    • 嚥下時痛

      発熱を伴う嚥下時痛はウイルス性の上気道炎や扁桃炎の特徴的な症状です。しかし、その痛みが非常に強く唾液も飲み込めない、飲み込むときに耳も痛い(放散痛)ときは、扁桃周囲膿瘍や急性喉頭蓋炎などの重症感染症が疑われるため、直ちに耳鼻咽喉科を受診してください。また、発熱を伴わない場合は、稀ですが咽頭の悪性腫瘍のことがあり、やはり診察を受けることが必要です。

    • 音声障害(嗄声等)

      音声は肺からの呼気流が声帯粘膜を振動されることで作られます。このどちらかが障害されると音声障害が出現します。耳鼻科領域では声帯のある喉頭機能の障害でひきおこされます。声の酷使や喫煙などで声帯ポリープや声帯結節が生じると器質的な原因で声枯れ(嗄声)となります。前癌病変の声帯白板症や喉頭癌も原因となるので注意が必要です。声帯に異常がなくても心理的な影響で生じる心因性発声障害や声帯に過緊張な運動が生じてなる痙攣性発声障害などもあります。
      神経疾患や腫瘍などで声帯を動かす反回神経が麻痺して生じる声帯麻痺による発声障害もあります。

    • 呼吸困難

      呼吸困難は耳鼻科的要因以外にも循環器や呼吸器の問題から生じる事もあります。 呼吸は生命に直結するため、急を要する病態が多いです。耳鼻科領域では気道狭窄による呼吸困難が主な原因です。扁桃周囲膿瘍や急性喉頭蓋炎等の炎症疾患で咽喉等の粘膜浮腫をきたし閉塞する場合や悪性腫瘍などの腫瘍での閉塞があります。神経疾患による両側声帯麻痺でも閉塞がおきます。急を要する場合が多いため、早急な治療が必要な事が多いです。咽頭・喉頭・気管の異物、先天性の喉頭軟化症なども原因としてありますが、耳鼻科の一般外来を受診するような状態ではないので、診ることはほとんどありませんが、危険な状態です。

代表的な口と喉の疾患

  • 口内炎・舌炎

    舌、口唇、歯肉などの口腔粘膜に痛みのある境界がはっきりとした円形の潰瘍性病変をアフタ性口内炎と呼びます。基本的に跡を残さず1週間程度で改善しますが、繰り返し治療が必要な場合もあります。ベーチェット病、ウェゲナー肉芽種症、天疱瘡といった自己免疫疾患でも口内炎ができる事があり、繰り返す場合や難治性の時は注意が必要です。

  • 舌癌

    口腔癌の過半を占める癌でほとんどが扁平上皮癌といわれるタイプです。舌縁(舌の横側)に発生するものが多く、不良歯牙による慢性刺激や喫煙、飲酒などが原因になります。そのため、歯に問題があるときは注意が必要です。舌に痛みや出血を伴う壊死や潰瘍を認め改善しない時なども注意が必要です。
    転移がしやすい事も特徴で、比較的早期から頸部のリンパ節に転移を認めるため、早期の発見が重要となります。

  • 急性咽頭炎

    急性咽頭炎は咽頭粘膜とその周囲のリンパ組織の急性炎症です。種々のウイルスやA群β溶連菌、インフルエンザ菌、肺炎球菌等の細菌感染が原因となる場合が多いです。症状は発熱、咽頭痛、頸部のリンパ節腫脹などで、通常は対症的な加療で改善しますが、細菌感染でもA群β溶連菌が感染の主体の場合は抗菌薬投与を行います。多くは重症化せず、改善しますが、扁桃周囲膿瘍などが合併すると強力な治療が必要となります。

  • 急性扁桃炎

    急性扁桃炎は正確には急性口蓋扁桃炎で、急性咽頭炎の中でも口蓋扁桃の病変が目立つ状態を言います。発熱、頭痛、倦怠感、強い咽頭痛、放散性耳痛、頸部リンパ節の圧痛などが症状の主体です。急性咽頭炎同様に合併症がなければ1週間程度で改善します。急性中耳炎、副鼻腔炎、扁桃周囲炎や扁桃周囲膿瘍等の合併症を併発すると、難治となったり、強力な治療が必要となるので、症状が治療しても経過で悪化したり改善しない時は注意が必要です。

  • 扁桃周囲膿瘍

    急性扁桃炎に続発することがほとんどで、扁桃炎の炎症が扁桃周囲にも波及し、扁桃周囲に膿瘍(膿の溜まり)が生じた状態です。喉の腫れや痛みが非常に強い場合が多く、食事や唾が飲み込めない人もいます。さらに炎症が広がると腫れによる窒息や縦隔炎への波及などより重症な合併症が生じる可能性もあり、生命に影響するため、速やかな治療が必要です。

  • 伝染性単核球症

    Epstein-Barr(EB)ウイルスの感染による症状で、ほとんどの人は3歳までに感染し、風邪症状程度で終わってしまいます。子供の頃に感染せず、成長してから感染すると免疫反応が強く出て伝染性単核球症になります。 発熱、リンパ節腫脹、咽頭・扁桃炎を3主徴とし、特に初期は通常の扁桃炎と所見が似ているため、区別が難しいです。細菌性の扁桃炎で使用するペニシリン系の抗菌薬で皮疹等が出現し使用できないため、使用薬剤に注意が必要です。
    安静と対症療法で多くが改善しますが、脾腫、肝腫、まれですが血球貪食症候群など合併症をおこす事もあり、重症化には注意が必要です。

  • 急性喉頭炎

    喉頭粘膜がウイルス感染等で急性炎症をおこす事を急性喉頭炎とよびます。風邪などの症状の一部の事が多く、急性鼻炎や急性咽頭炎を併発する事が多いです。原因はウイルス性のものが多く、一部インフルエンザ菌、肺炎球菌、溶血レンサ球菌などの細菌性のものがあります。嗄声、咳、喉頭炎等の症状が多く、声の安静と対症療法で多くは改善します。

  • 急性喉頭蓋炎

    急性喉頭炎の特殊型で、急性喉頭炎と異なり緊急性や重症度が高いため問題となります。急性喉頭炎と異なりウイルスよりはインフルエンザ菌などの細菌が原因となる事が多く、初期は軽度の風邪症状ですが、急激に悪化し強い嚥下時痛、高熱、ふくみ声などが出現しさらに悪化すると喉頭粘膜の浮腫で気道が狭窄し、呼吸困難となります。重度の場合は気管切開等の治療も必要となるため、注意が必要な病気です。

  • 声帯結節

    発声に使用される声帯に、多くの場合両側性に対称性に生じる小さい結節様の隆起を声帯結節といいます。声の酷使で生じる場合が多く、よく声を使用する職業の人にできやすい傾向があります。声の酷使を避けたり、内服処方して改善を期待しますが、改善が悪く、重度な場合は手術加療が必要な場合もあります。

  • 喉頭癌

    早期には自覚症状に乏しく、かなり進行してから症状が現れるケースが多くなっています。早期に発見できたものは胃内視鏡検査を受けた際に偶然発見されたものが大部分を占めます。 咽頭は空気や飲食物の通り道ですが、顔にもかなり近く、耳や目の機能障害が現れることもあるなど、癌ができた場所によりさまざまな症状を起こします。また、首のリンパ節への転移によって、首にしこりができ、それによって咽頭癌が発見されることもあります。

  • 咽頭癌

    胃内視鏡検査は、食道・胃・十二指腸の粘膜を観察する検査ですが、内視鏡スコープでは咽頭や喉頭の観察もできます。飲酒や喫煙は、口腔・咽頭・喉頭・食道の癌に共通する危険因子であり、喉から食道の領域全体にがんが多発する領域性発癌が発生することもありますので、当院では胃内視鏡検査の際に咽頭や喉頭の観察も行い、病変の有無を確かめています。